モバイルバッテリーの機内持ち込みルールを紹介|容量・個数・禁止例まで解説|コラム


飛行機を利用する際、「モバイルバッテリーは機内に持ち込んでいいの?」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。実は、モバイルバッテリーの機内持ち込みは、ルールを守れば基本的に可能です。ただし、容量や個数に明確な制限があり、預け荷物に入れることは厳しく禁止されています。
本記事では、JALやANAをはじめとする主要航空会社のルールを踏まえて、2025年最新のモバイルバッテリーの持ち込み基準や注意点をわかりやすく解説します。安心して空の旅を楽しむための準備として、ぜひ最後までご覧ください。
モバイルバッテリーの機内持ち込みは基本的に可能
モバイルバッテリーは、決められた条件を満たせば基本的に機内への持ち込みは可能です。ほとんどの航空会社が国際基準に沿ったルールを採用しており、適切な容量や安全性が確認された製品であれば危険性が低いとされています。
ただし、荷物棚やスーツケースなどの預け荷物に入れることは禁止されています。モバイルバッテリーに含まれるリチウムイオン電池は気圧変化や衝撃で稀に発火することがあるため、客室内で目視できる状態に保たなければなりません。
安全に持ち込めるモバイルバッテリーの基準は、以下の通りです。
モバイルバッテリーの仕様 | 持ち込み可否 |
10,000mAh/3.7V(約37Wh) | 持ち込み可能 |
20,000mAh/3.7V(約74Wh) | 持ち込み可能 |
スーツケースに入れて預ける | 禁止 |
飛行機での移動を安全かつスムーズに行うためには、モバイルバッテリーの扱い方に関する航空会社のルールを理解し、常に手荷物に入れておくことが大切です。
モバイルバッテリーを機内に持ち込む際のルール

モバイルバッテリーを飛行機に持ち込む際には、事前にルールを確認することが大切です。国際基準に基づいた規定であり、すべての航空会社に共通して設けられているケースが多く、安全な航空機運航のために厳密に守る必要があります。
それぞれのルールは、以下の通りです。
- 2025年7月最新|荷物棚へのモバイルバッテリーの保管は不可
- 160Whを超える製品は持ち込みできない
- ひとりあたり2個まで持ち込める
- 預け入れ荷物には入れられない
- 航空会社によっては持ち込みルールが異なる場合がある
空港でのトラブルや没収を避けるためには、容量制限や個数制限を事前に把握し、航空会社ごとの案内ページを確認してから搭乗準備を進めることが重要です。
2025年7月最新|荷物棚へのモバイルバッテリーの保管は不可
国土交通省によると、2025年7月8日以降、モバイルバッテリーは機内で座席上収納棚へ入れることが禁止されました。持ち込む場合は、膝上や座席前ポケットなど常に目視できる場所に置く必要があります。
国内外において、機内でのモバイルバッテリーの発煙・発火等の事例が発生しているところ、これらを早期に発見し対応を図ることにより客室安全の一層の向上を図るため、7月8日から、モバイルバッテリーを機内に持ち込む際は収納棚に入れずに、常に状態が確認できる場所に置いていただく取扱いに変更いたしますので、ご理解ご協力をお願いいたします。 |
引用:モバイルバッテリーを収納棚に入れないで! ~7月8日から機内での取扱いが変わります
発煙・発火時の早期発見が狙いで、アジアの主要航空会社で規制強化が進んでいます。預け入れも従来通り不可です。搭乗前に容量確認と外装点検を行い、異常時は速やかに乗務員へ連絡をしてください。
安全冊子やアナウンスの指示にも従い、火災リスク低減に協力しましょう。
なお、ChargeSPOTにおけるモバイルバッテリーの機内持ち込みルールについては、国土交通省に順守する方針となっております。
詳しい方針については以下の記事をご確認ください。
160Whを超える製品は持ち込みできない
容量が160Whを超えるモバイルバッテリーは、危険物として分類されており、機内への持ち込みも預け入れも全面的に禁止されています。万が一内部でショートや発火が起こった場合、機内では安全な対処が難しく、乗客全体の安全を脅かす可能性があるためです。
このルールは、日本国内だけでなく国際線でも共通して適用されています。
容量別の持ち込み可否目安は以下の通りです。
バッテリー容量(mAh) | 電圧(V) | Wh | 機内持ち込み |
10,000mAh | 3.7V | 約37Wh | ○ 可 |
30,000mAh | 3.7V | 約111Wh | ○ 2個まで |
45,000mAh | 3.7V | 約166.5Wh | ✕ 不可 |
160Whという基準は絶対的な上限となっているため、大容量モデルを使っている人は数値をしっかりと確認し、事前に航空会社の規定と照らし合わせることが不可欠です。
Wh(ワットアワー)の計算方法
モバイルバッテリーの容量表記にWh(ワットアワー)がない場合は、自分で計算して安全基準を満たしているか確認する必要があります。
Whは「mAh(容量)×V(電圧)÷1000」の計算式で求められ、電圧は一般的なモバイルバッテリーであれば3.7Vが多く採用されています。
この計算を覚えておけば、製品の安全性を自分で判断可能です。
計算式は以下の通りです。
容量(mAh) | 電圧(V) | 計算式 | Wh値 |
10,000mAh | 3.7V | 10,000×3.7÷1000 | 37Wh |
20,000mAh | 3.7V | 20,000×3.7÷1000 | 74Wh |
ワットアワー表記がない製品を使っている場合には、この計算式をもとに自分で数値を出し、160Wh未満であることを確実に確認してから持ち込みの準備を進めましょう。
ひとりあたり2個まで持ち込める
モバイルバッテリーは、100Whを超えて160Wh以下のものに限り、ひとりあたり2個まで機内に持ち込めます。安全上の観点から大容量バッテリーに厳格な制限が設けられているためです。
一方で、100Wh以下の製品であれば、多くの航空会社では個数制限が設けられていません。
ただし、過剰な個数の持ち込みは、保安検査で説明を求められることがあります。
容量と個数の関係例は以下の通りです。
容量 | 個数 |
111Wh(例:30,000mAh) | 2個まで |
74Wh(例:20,000mAh) | 制限なし(ただし常識的範囲) |
37Wh(例:10,000mAh) | 制限なし |
大容量バッテリーを複数持参する際は、Whを確認し、個数上限を超えないよう調整してください。
預け入れ荷物には入れられない
モバイルバッテリーは、スーツケースなどの預け入れ荷物に入れることが禁止されています。バッテリーが発煙・発火した場合、貨物室では初期対応ができず、大規模な事故につながるおそれがあるからです。
航空法でも明確に禁止されており、違反した場合は取り出し対応を求められます。
以下のような状況では、モバイルバッテリーの預け入れが禁止されています。
- スーツケースに入れたままカウンターで預ける
- ノートPCやタブレットに収納した状態で預け荷物にする
- ケースに入れていても、スーツケース内に入れて預ける
バッテリーは必ず手荷物に入れ、搭乗前に安全対策を確認するようにしましょう。
航空会社によっては持ち込みルールが異なる場合がある
モバイルバッテリーの持ち込みルールは、基本的には国際基準に準じていますが、航空会社ごとに細かな違いがある場合もあります。航空会社によって、バッテリーの表示義務や梱包方法に厳しい条件が設けられている場合があります。
ルールに違反すると没収される可能性もあるため注意が必要です。搭乗予定の航空会社の公式サイトで、危険物や手荷物のガイドラインを事前に確認しておくことが安全な対策となります。
【航空会社別】モバイルバッテリーの機内持ち込みルール一覧

モバイルバッテリーの持ち込みルールは基本的に共通していますが、航空会社によって細かい運用や注意点に違いが見られます。とくに一部の海外航空会社では、表記や梱包の厳しさが異なるため、搭乗前の確認が重要です。
ルールを把握せずに搭乗すると、保安検査での没収や搭乗トラブルにつながるおそれがあります。
航空会社別の持ち込みルールは以下の通りです。
航空会社 | 容量制限(Wh) | 個数制限 |
JAL | 160Wh以下 | 明確な個数記載なし |
ANA | 160Wh以下 | 100Wh超は2個まで |
スカイマーク | 160Wh以下 | 100Wh超は2個まで |
ピーチ | 160Wh以下 | 100Wh超は2個まで |
ジェットスター | 160Wh以下 | 100Wh超は2個まで |
中国国際航空 | 160Wh以下 | 100Wh以上160Wh以下は2個まで |
参考:
【国内・国際線】リチウムイオン電池が内蔵された一般電子機器・モバイルバッテリーの取り扱いについて|ANA
機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例|ジェットスター
バッテリー本体に情報が印字されていない製品は、容量が適正でも持ち込みできないケースがあります。搭乗予定の航空会社の公式サイトで事前にガイドラインを確認し、余裕を持って準備を進めてください。
モバイルバッテリーを機内に持ち込む方法
モバイルバッテリーを安全に機内へ持ち込むには、正しい方法で準備することが不可欠です。容量や個数だけでなく、収納場所や状態も安全性に直結する重要な要素となります。
主なポイントは以下の通りです。
- 目視できる場所で必ず保管・利用する
- 電源はオフ・未使用状態にしておく
- 短絡防止処置をする
安全でスムーズな搭乗のために、これらの対策を出発前に徹底するよう心がけましょう。
目視できる場所で必ず保管・利用する
規制が変わり、モバイルバッテリーは、機内では必ず目視できる場所で保管・使用する必要があります。リチウムイオン電池は過熱や衝撃に弱く、万が一発煙や発火の原因になる可能性があります。そのため、すぐ対処できるように目視できる場所で保管しなければいけません。
目視可能な保管・使用方法の例は、以下の通りです。
- リュックの外ポケットや上部に収納する
- 座席のテーブル上で充電する
- 手元に置いておく
座席下や荷物棚にしまい込むと、異常に気づくのが遅れます。フライト中は、できるだけ手元で状態を確認できる位置に保管し、異常を感じたらすぐに乗務員へ連絡しましょう。
電源はオフ・未使用状態にしておく
機内へ持ち込むモバイルバッテリーは、なるべく電源を完全にオフにし、未使用の状態にしておくことが求められます。バッグ内で誤作動し、発熱や発火につながるリスクを避けるためです。
とくに電源ボタンが押しやすいタイプや、ケーブルを挿したままの状態は危険と判断される場合があります。
安全な持ち込み状態の例は以下の通りです。
- 本体のスイッチを完全に切る
- 充電ケーブルを外しておく
- 突起部をケースで保護する
空港でのトラブルを防ぐためにも、家を出る前に電源と接続状態の確認を徹底することが大切です。
短絡防止処置をする
モバイルバッテリーの端子が金属と接触してショート(短絡)を起こさないよう、物理的な対策を講じる必要があります。バッグの中で鍵やコインなどと触れた際に発火する恐れがあるため、航空各社では端子の保護を強く推奨しています。
適切な絶縁処理を行えば、安全性が高まり保安検査もスムーズです。
短絡防止に有効な対策例は以下の通りです。
- 付属の専用ケースに収納する
- 端子部分にビニールテープを貼る
- 個別の布ポーチに入れて持ち運ぶ
簡単な工夫でリスクを大幅に減らせるため、出発前には短絡防止処置を必ず実施しましょう。
モバイルバッテリーを機内に持ち込む際によくある疑問

モバイルバッテリーの機内持ち込みにはさまざまなルールが存在し、疑問をもつ人も少なくありません。はじめての飛行機利用や、国際線を使う際には注意すべき点が増えるため、不安になることもあるでしょう。
基本的なルールに加えて、特殊なケースや例外対応を知っておくことで、安心して旅行や出張に臨めます。
- 機内でモバイルバッテリーの使用は可能?
- 機内に持ち込みできないケースは?
- 預け荷物に入れてしまった場合は?
不測の事態にも対応できるように、出発前に想定されるトラブルとその対処法を確認しておきましょう。
機内でモバイルバッテリーの使用は可能?
モバイルバッテリーは、機内でも使用自体は可能です。しかし、使用する際は、必ず目視できる場所で利用するようにしてください。
JALでは下記の記載があります。
機内で、モバイルバッテリーから携帯用電子機器へ充電する際、または、機内電源からモバイルバッテリーへ充電する際は、常に状態が確認できる場所で行ってください。 |
引用:JAL | 機内でのモバイルバッテリーの収納・使用に関するお願い(2025年7月8日以降)
フライト中に不安がある場合は、利用する航空会社や乗務員へ直接確認することで、より安全に利用できます。
機内に持ち込みできないケースは?
モバイルバッテリーが持ち込み不可となるケースは、容量や状態に問題がある場合です。原則160Whを超える製品を危険物として分類しており、持ち込みや預け入れが完全に禁止されています。また、破損・膨張・液漏れのある製品や、容量の表示がないバッテリーも没収対象となるため注意が必要です。
持ち込み不可となる具体例は、以下の通りです。
- 160Wh超の大容量バッテリー
- 本体が膨らんでいる、液漏れしている
- WhやmAhの表記がない
安全性に疑いのあるバッテリーは出発前に買い替えることが安心です。
預け荷物に入れてしまった場合は?
モバイルバッテリーを誤って預け荷物に入れてしまった場合、X線検査で発見される可能性が高く、名前を館内アナウンスで呼び出されることになります。バッテリーは火災リスクがあるため、貨物室には収納できず、係員立ち会いのもとで取り出しが求められます。
よくある対応の流れは、以下の通りです。
- チェックイン後に名前を呼び出される
- カウンターでスーツケースを開けて確認する
- バッテリーを取り出して手荷物へ移す
トラブルを避けるには、パッキング時に「バッテリーは手荷物へ」を徹底することが重要です。
旅行・出張時のモバイルバッテリーならChargeSPOTがおすすめ

飛行機での移動が多い人にとって、モバイルバッテリーの持ち込みルールは面倒に感じることもあるでしょう。
ChargeSPOTは、空港・駅・観光地・商業施設などに設置されており、飛行機にはモバイルバッテリーを持ち込まず、現地到着後に借りて利用するという選択肢が取れます。
モバイルバッテリーの規定ルールにも沿っているため、機内での利用も安心して可能です。
飛行機利用時の手荷物を減らし、安全性への不安も解消できるため、今後は「もつ」より「借りる」選択を検討してみてはいかがでしょうか。より身軽で安全な移動のために、ぜひChargeSPOTの利用を検討してみてください。
